あることないこと書きます。
「アラキさんの伝説 エピソード1」はコチラ
「アラキさんの伝説 エピソード2」
同じ部署のアラフォー男性、アラキさんは耳が不自由だ。
耳が不自由な人がつけるキカイをつけているが、ほとんど聞こえないらしい。
アラキさんは3年間で2度、裁判所に出頭したことがある。
1度目は被害者として。
オレオレ詐欺の犯人グループの一味が、詐欺でもうかったお金を振り込む先のボスの口座番号を間違えていたのだ。
間違えられたアラキさんの口座には多い日で1日数百万円のお金が6日間にわたって振り込まれ続けた。
おかしいと思って通報したアラキさんにケイサツは「怖くなって自首した共犯者」の疑いをかけた。
疑いはその後ブジに晴れたが、捜査のためアラキさんのメイン口座は3ヶ月間凍結し、その間アラキさんは給与を引き出すことができなかった。
2度目は重要参考人として。
アラキさんの親友が強盗殺人の疑いをかけられたのだ。
しかし、アラキさんの親友にはアリバイがあった。
殺人事件が起きたまさにその時、アラキさんの親友はアラキさんと2人で家飲みをしていたのだ。
つまり、重要参考人としてのアラキさんの発言がアラキさんの親友の無実を証明する唯一の証拠だった。
アラキさんは平日に何度も弁護士事務所や裁判所に呼ばれ、一所懸命に事実を話した。法廷にも立った。
そのカイあって、アラキさんの親友は無罪放免となったがアラキさんのその年の有給休暇は全て消化された。
裁判の翌日、会社にでてくるたびにアラキさんは「なんで俺がこんな目に〜。」と不平不満を言っていたが、話が非現実的すぎるので皆、話半分に聞いて笑っていた。
でもクロカワ課長だけは笑っていなかった。
勤務時間中に4つの新聞をスミからスミまで読むことが日課のクロカワ課長はその2つの事件がジジツであることを知っていたのだ。
余談だが、アラキさんはカミナリにうたれたことがある。
中学の時に宿題を忘れて、バツとして校庭を1人走らされているアラキさんに追い打ちをかけるようにカミナリは落ちた。
普通の人にとって「一生に一度あればキセキ」という出来事がアラキさんには何度もおこる。
ippei
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