演劇レビュー:ロロ「BGM」の感想 〜はじめて舞台をみたい人にオススメの劇団〜

こんにちはIppeiです。

笑いのある演劇を観に行くのが好きです。

サラリーマンが演劇を観に行く理由

僕のような普通のサラリーマンで、演劇を「定期的に観に行く」という人は少ないのではないでしょうか?

「演劇」と聞いてあまり良いイメージを持っていない人もいると思います。

学生の頃に授業でみた演劇が「上から目線」で堅苦いものだったり、友達の友達に頼まれてみた演劇が自己中心的で意味のわからないものだったり。

僕も、そのどちらの経験もあります。

映画や他のエンタメと違って、演劇は当たり外れが大きいです。そして、多くの人は、本当に面白いと思えるようになるまで少し時間がかかると思います。

それでも僕が演劇をみつづけている理由、テレビや映画では味わえない演劇の面白さを3つあげてみます。

1. 生の人間の魅力

一部を除いたほとんどの劇場のキャパシティは数十名から数百名で、ライブやフェスなどと比べてはるかに小さいです。

そして、演劇作品にはテレビで有名な役者さんが出演することがよくあります。

宮沢りえ、妻夫木聡、 松岡茉優、古田新太、吉田羊、星野源 などなど。

普段、テレビでみている有名人が目の前で、マイクも使わずに演技をしている姿はそれだけで特別感がありオーラが出ています。

オーラが出ているのは有名人だけではありません。

役者さんは声や表情や身体だけでなく、オーラを発して表現しています。

達者な役者さんの演技を観ていて、声を発さず表情をほとんど変えていないのに、発している悲しいオーラを感じて泣いてしまったことがあります。

2. 想像力を鍛える楽しさ

映像作品と違い、演劇はお客さんの目の前で上演されているので、大道具や小道具など使えるものが限られます。

例えば車で道路を走る二人の若者のシーン。

映像では実際に車の中で撮影できますが、演劇では椅子に2人の若者が座り、あとはハンドルを持っている仕草でお客さんは

「あ、この二人は今車に乗っているんだな。」

ということを想像します。

この点が「演劇を面白いと思えるまで時間がかかるかもしれない」と思う理由です。

僕が演劇をみはじめた頃、同じ人が複数の役を演じ、なおかつ場面がすばやく変わっていく演劇を観て何をやっているのかわからなかったという体験をしました。

その後、何本か演劇をみて、もう一度その作品の再演をみた時に場面を想像することができて驚きました。

何本か演劇をみるうちに、筋トレのように僕の想像力が鍛えられていたのです。

想像力が鍛えられると、日常生活でも人の話を聞いている時などに「面白い」と感じられることが増えます。

相手の話している言葉を、頭の中で想像する時の映像の豊かさが増すからです。

3. 劇場からもらうエネルギー

演劇の作品を、DVDで観るよりも劇場で観る方が感動が増すのは、役者さんとお客さんから発せられているエネルギーをもらえるからだと思います。

劇場で演劇を観ているお客さんは想像力をはたらかせ、集中して演劇を観ることでエネルギーを発しています。

一方、役者さん達は全身を使ってオーラを発し、お客さんの想像力のエネルギーをさらにふくらませてくれます。

良い演劇をみていると、役者さんとお客さんのやり取りでエネルギーがどんどんふくらんでいくのを感じます。

ロロ「BGM」の感想

「ロロ」という演劇団体の「BGM」という作品は、先にあげた

「生の人間の魅力」

「想像力を鍛える楽しさ」

「劇場からもらうエネルギー」

3つの要素で溢れており、演劇の面白さが詰まった2時間でした。

演劇を初めてみる人も想像しやすい工夫があちこちにあり、タイトルの「BGM」(バックグランドミュージック)の通り音楽の楽しさもたっぷり入っています。

しかも「プロとしての目線」ではなく、

「初めて音楽を楽しいって思ったのってなんでだっけ?」

そんな目線で語られています。

何より「音楽」「演劇」「人」に対しての肯定感に満ちており、はじめのうちは

「人はこんなにすぐに仲良くならないのでは?」

とか

「人はこんなにすぐに自分をさらけださないのでは?」

という違和感を持つほどです。

でも、

皆ほんとうは、すぐに仲良くなりたいのではないでしょうか?

自分をさらけだしたいな、と思っているのではないでしょうか?

役者さんとお客さんのやり取りで、そんな肯定感のエネルギーが増幅していきます。

終演後の劇場は皆さんから発せられた幸せのエネルギーでいっぱいでした。

「演劇は興味あるけど何を観たらいいか分からない」という方にロロをオススメします。

ロロのホームページはコチラ

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ippei

趣味でコントを楽しむサラリーマンを挫折。難航する婚活とリストラの恐怖と、両親の介護への不安。そんな時に父親が癌に。 日本で楽しく生きるとは? 答えを探すためにコーチングを学んで40歳からキャリアチェンジ。その道程で出会いがあり入籍。夢は、日本や世界の状況がさらに深刻になった時に困っている人達に「楽しい生き方」を共有できる人間になること。