ウソ日記「トイプードルの縄張り」

うちで飼っているトイプードルは弱い。

「トイプードルの縄張り」

散歩中、イヌ同士のにらみあいはもちろん負けるし、なんならネコとのにらみあいも負ける。

先日は突然止まったと思ったら上空を見ながら震えだした。

うちのトイプードルの目線の先にはハトがとまっていた。

ハトもうちのトイプードルをみてる。

人間にはみせない獰猛な表情で・・・。

10秒ほどにらみあいが続いた後、うちのトイプードルは目線を落として来た道をすごすごと引き返した。

ハトとのにらみあいで負けたのだ。

そんな彼でも自分の縄張りを誇示するためにおしっこをかける行為「マーキング」はマメに行う。

だからマーキングとかイヌの縄張りなんてカタチだけの行為なのだと思っていた。

サラリーマンの名刺交換みたいな。

メールの最初に「いつもお世話になってます。」ってつけるみたいな。

だって、ハトに負けるトイプードルに縄張りなんてあるはずがない。

そう思っていた。

今日は夏のように暑い日だったが、いつものコースを彼と散歩していた。

しかし、彼の様子がどうもいつもとは違う。

なんというか、歩き方がいつもより勇敢だ。

そしてついに、一瞬の躊躇のあと、

普段立ち入らない新しいコースを進み始めた。

暑さのせいだろうか。

彼の気持ちにどんな変化が起きたのかわからないが、少し頼もしい気持ちになった。

その矢先、

近くを散歩していたチワワが狂ったように吠え始めた。

斜め前の庭につながれているマメ柴も聞いたことのないウナリ声をあげている。

そして、チワワとマメ柴の鳴き声に反応するように、遠くの方でイヌなのかどうかもわからない恐ろしい声の生き物が遠吠えをあげはじめた。

びっくりしてうちのトイプードルをみると。

泣きそうな顔で一瞬こちらをみたあと下を向き、来た道を一目散に戻り始めた。

超えちゃったんだね、縄張り。

意味あったんだね、マーキング。

The following two tabs change content below.
ippei

ippei

趣味でコントを楽しむサラリーマンを挫折。難航する婚活とリストラの恐怖と、両親の介護への不安。そんな時に父親が癌に。 日本で楽しく生きるとは? 答えを探すためにコーチングを学んで40歳からキャリアチェンジ。その道程で出会いがあり入籍。夢は、日本や世界の状況がさらに深刻になった時に困っている人達に「楽しい生き方」を共有できる人間になること。