部屋の片付けをしていたら、大学生の頃書いた卒論が一部でてきました。
(序論とダイジェストのみ)当時はWordで書いたはずなのですがデータでは残っておらす、久しぶりに読んでみるとわりと自己分析になるかも、と思ったのでブログに書き起こしてみたいと思います。
卒論タイトル「コミュニケーションスペース」序論
世の中に対してなんとなく違和感をもち始めたのは中学受験をしている頃からだったと思う。
高校2年生の頃、倫理の授業でそれまで自分の中にあった疑問を始めて言葉として表されたという印象がある。当時の授業の資料が残してあるので一部参照しておく。
「資本主義は人間の不安に確実なものを与える素振りを見せることで人々を自らの発展のために利用する。資本主義が与えてくれる確実なものとは何か。それは夢である。今この現在の確実さを感じることのできない我々は、資本主義により未来にこそ幸せが約束されていると教えられている。未来の幸せ、それを夢と呼んでよいであろう。我々は小さい頃から語らされてきた。小学生の頃、将来の夢という作文を書かされた記憶が誰にでもあるだろう。夢を語り、それを追い求めること。これこそが資本主義にマッチした生き方なのであろう。学校は何気ない形で我々を資本主義的な生き方になじませてゆくのである。では、「夢」を追い求めることが資本主義にマッチした生き方なのであろうか。商業資本主義とは労働者の生み出す余剰価値の搾取により利潤を引き出してくる。このシステムが利潤を生み出し続け、さらに発展してゆくためには労働者に働き続ける事を期待しなくてはいけない。しかし、労働者は放っておいても働くものではない。その日の生活に必要な収入さえ獲得できれば仕事はやめてしまうし、儲けた分は使えるだけ使ってしまう。こうした労働者ばかりでは経済が拡大しない。そこで労働者に労働の動機を与える必要がでてくるのだ。つまり、働けば夢が実現する、そう信じ込ませる。他者からの尊敬、端的に言えば愛されるということ。これこそ自らの存在の確実さを見出すことの近代人の求める最高の夢であろう。それを働きさえすれば手に入れることができる。資本主義は私たちにそうささやくのだ。具体的にいうならば、近代人の夢とは社会的な名声であり愛にみたされた家族である。愛で満たされた家族、近代人はその夢のためにローンをし、マンションや一戸建てを郊外に買おうとする。男たちは企業戦士として酷使され、妻は専業主婦として夫や子供に愛を与える役割を課せられた。
近代社会は確かに人間に不安をもたらした。しかし、近代特有のあらゆる物事を相対化する物の見方は、身分制社会や単一の価値観しか持たない社会など、共同体のしがらみの中にいた人々に自由を与えてくれた事も忘れてはならない。ただし、自由である事はとても大変な苦痛をともなう。自由である事を選ぶべきか、あるいは確かさを求めるべきなのか。」
初めて自分たちの生きている社会の根本を見つめ、論理的に否定してくる大人の話を聞いた。話を全て理解したわけではなかったが、私は納得したと同時に絶望した。上記のような世の中だとして「ではどうすればよいのか」ということ
が全くわからなかったからである。
以降、その視点で物事を考えるようになった。
最初に行き着いたのは環境問題である。自然に囲まれた豊かな生活をおくることが幸せだと考え、そのためには環境問題の原因となっている企業のシステムを改善してゆけばよいのではないか、と考えた。具体的にはリサイクルなどがあげられるだろう。しかし、この考え方をここで行き詰まる。そもそも「自然に囲まれた豊かな生活」とはどのようなものであろうか。この言葉だけではその生活の中身が全く見えてこない。自然と私達の生活というものを切り離して考えてしまっているからである。これが消費文明の二元論的な考え方である。自然と人間、弱者と強者、先進国と発展途上国など、物事を切り離して考えていたのではどこかで対立が生まれてしまう。そうではなく、全ては同じ「場」を共有しているという考え方が大切だと思う。以上のように考えるようになってから私は人間の生活に興味を持ち始めた。
以上が序論でした。
序論といいながら7割くらい高校時代のノートからのパクリですし、(といいつつ今日のブログも9割くらい大学時代の卒論のパクリですが)文章も飛躍しすぎてて論理的ではなくお恥ずかしい限りです。それにしてもうちの高校には改めてトンがった先生がいたものだなあ、と思います。結構見た目とかも病んでる感じでしたからね。当時は病んでる、という言葉もありませんでしたので変わってる先生だなあ、と思ってました。次回は本論のダイジェストと、卒論、というか昔の自分の文章を改めて書き起こしてみた感想を書いてみたいと思います。
ippei
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